【書評・レビュー】デイトレード マーケットで勝ち続けるための発想術/オリバー・ベレス&グレッグ・カプラ

投稿日:2024年2月4日 更新日:

こんにちは、管理人のみっちー(@m_hayashi )です。
今回はこちらの書籍をレビューしていきます↓↓

駆け出しデイトレーダーのバイブルとしても有名です。
帯には以下の記載があります↓

投資家なら読んでおくべき不朽のロングセラー
失敗するたびに這い上がり、不屈の闘志をもってマーケットに立ち向かうためには何が必要なのか?
全米屈指のトレーダースクールが教える「メンタルコントロール術」の真髄。

デイトレに関する書籍は世の中にあまたありますが、いわゆるハウトゥー本当は違い、これは「読み物」としてとても面白い書籍でした。
投資はテクニックより心理戦だということを謳っている点が、以前にレビューした「ゾーン」と似ています。
アメリカで成功した投資家に共通する項目なのかもしれません。
しっかりレビューしていきたいと思います!

まえがき

著者のオリバー氏とグレッグ氏は同僚のトレーダーです。同じ会社でプロデイトレーダーとしてデビューしました。

二人の共通点は、デビュー1日目から大損を食らったことです。相当な自信を持って臨んだだけあって、金銭的にも精神的にも相当ダメージを受けたようです。

しかし二人はここで不貞腐れませんでした。「簡単に儲けようとするデイトレーダー」から、1日目にして卒業したのです。

その後の二人は、「絶対にデイトレーダーとして生計を立てるんだ!」という強い気持ちで勉強に専念することになります。

このあたりのストーリーは日本で成功した個人投資家と似ていますね。この著作に辿り着いた読者の方は「デイトレはじめたけど損ばかりでうまくいかない」と嘆きつつも「絶対にデイトレで成功してやるんだ」「そのために勉強するぞ!」という強い思いをお持ちの方が多いでしょうから、きっと共感を得たことでしょう!!

短期トレードは最も安全

私がデイトレーダーであることを最も幸福であると感じるのは、マーケットが非常に困難な状況にある時である。
(中略)
すばやいトレーダーは、いかに状況が悪化しても、日ごとに、それを受け入れることができるからである。
(中略)
デイトレーダーは小刻みに縫うように動き、一瞬でサイドを替え、スタンスを替える。一時的には恐怖に沿って行動することもできるし、マーケットのムードが改善すれば、すかさずポジションを替える。頻繁に売買を行うトレーダーが最も輝くのは、暗い状況の時であることは否定できない。
P45

これは私がこれまで学んで聞いてきたことと真逆の事実です。
日本の金融機関で運用の相談をすると、基本的に中長期投資をお薦めされます。理由は、「短期だと上げ下げがあって精神的に良くないが、優良銘柄を中長期で持ち続ければ勝つ可能性が高いから」「もし◯◯ショックなどで大きく下がった場合は買い増しのチャンスです」といったものです。

もちろん、著者も中長期投資を全否定しているわけではありません↓

投資信託や、注意深く選択されたブルーチップ銘柄(優良株)は、年金などの投資には有効である。しかし、そういった範疇以外の資金にとっては、短期の時間軸がより重要である。
P47

しかしながら、読者の多くを占める個人投資家ビギナーには短期の時間軸をおすすめしていますよ、ということなのでしょう。

ファンダメンタルではなくテクニカルを選好する理由

著者も当初は厳格なファンダメンタリストだったと言います↓

長い間、さまざまな比率を見ながら、重箱の隅を突つくようなファンダメンタリストにフラストレーションを持っていたが、私は、ようやく、ある企業のことをすべて知ったとしても、その企業の株を、いつ、どのように買ったらよいかはわからないということに気づいたのである。
P48

ファンダメンタル分析は一定の価値を有しており、投資判断のうえで、軽視してはならないものではある。しかし、短期のマーケット参加者は、ファンダメンタルズがトレーダーの最も重要な疑問に答えることができないことを理解しなければならない。その疑問とは、「どのタイミングで買うのか」ということである。

著者は、銘柄選びが正しかったとしても、タイミング次第で損失を被ると言います。逆に、銘柄選びを間違ったとしても、タイミングが良ければ利益を上げることができると言います。
この発見をしてからというもの、著者の思考は前向きなものになったそうです。
そして以下の原則を理解しました↓

極めて基本的な原則が理解できた。その原則とは、株価の上昇を招く力は、この世にただ1つだけ存在しており、それは単純に売りを上回る買いが存在するということである。それだけである。良好なファンダメンタルズは確かに株価を上昇させる。しかし良好な経営は株価を上昇させないし、良好な収益も株価を上昇させない。
P49

これはほんとに昔から私は疑問でした。
よく、「EPS成長率は株価を連動する」と言います。確かに好決算を発表した企業の株価は上昇するケースがほとんどです。しかし、その程度にはばらつきがあります。例えば、EPS見通しを5%上方修正したとしても、1%しか上昇しない場合もあればストップ高に張り付くこともあります。さらに言えば、決算発表前日までは大きく上がっていたのに、発表後は急落することも多々あります。こういうことがあるから、決算プレイ(決算跨ぎ)は怖いんですよね。
結局のところ、「EPS見通しを5%上方修正」した事実を受けて投資家がどう行動したかが株価を決定づける全てであるということですね。

テクニカル分析に切り替えたことで、ファンダメンタリストに勝てるようになったと言います↓

チャートを使用することによって、他人より早くポジションがとれ、手仕舞えることは、安定的に、その他大勢に勝つことができることを意味する。すぐさま私はそれを実行するようになり、以降はチャートが買いのサインを出している銘柄はすべて買った。ファンダメンタルズから見れば買いではない時には、特にそうである
(中略)
株価が上昇している銘柄があまりにも高いPERをつけているにもかかわらず、チャートが買いを示唆していれば、私はその銘柄を買った。収益は関係ないのか。私は、そんなことは気にしなかった。株価が上昇している限り(要するに、買われている限り)、私は飛び込んだ。
(中略)
簡潔に言おう。財務諸表、他社のアドバイス、噂、超金持ちの社長による絵空事の収益計画などではなく、株価自体に注目することによって、私は安定的に勝つことができるようになった。
P50

先ほど私が記載した決算前の上昇は、いわゆる「織り込み機能」というものです。マーケットは2〜6ヵ月先に生じるだろうことを大局的に予測することを試みているのだ。

トレーディングを愛し、そして愛されろ

「好きなことで生きていく」という理想の仕事論は昔からあったのですね。
著者は、トレーディングにおいても愛することが大切だと言います↓

マーケット環境が厳しくなり、利益を得るチャンスが乏しくなった時でも、目を覚ますたびにわくわくする。トレーディングという名のゲームが時として厳しいのは、美しい花に棘があるようなものである。
(中略)
トレーディングに何かを期待するのではなく、純粋にトレーディングを愛することができる人が増えれば、技術が欲にかわり、不注意は慎重さと思考力に席を譲り、すべての行動の基礎となるだろう。
P53

愛は世界を救うということですかね。
子供への無償の愛は、伝わっているいないにかかわらず、輝かしい未来へとつながっています。そして愛を注いだ親御さんへの報いも非常に大きなものとなるでしょう。(もちろん報いをもらうことを前提とはしていませんが)
トレーディングにおいては、特に「調整や危機の時期」に力を発揮します。こういうタイミングは絶好のチャンスであり、さらなる高みを目指すきっかけになるのです。

私がトレーディングを愛するように、読者がトレーディングを愛することができれば、トレーディングのほうから、読者を愛するようになるかもしれない。トレーディング、あるいはマーケットのほうから愛されるようになれば人生はバラ色である。
P54

トレーディングを愛している→トレーディングで成功している

のであって、決して

トレーディングで成功している→トレーディングを愛している

わけではないのだ。

今たまたま成功しているトレーダーは、トレーディングを愛さないといずれ脱落していくのだ。

“確実”を得ることは生涯あり得ない

快適と確実を追い求めるのは人間のもって生まれた習性である。
P56

確実を求めるために、学歴を付けたり、嫌な仕事・厳しい労働に耐えたり、結婚式で一生の愛を誓うのが人間です。

しかし世の中には唯一“確実”と呼べるものがあります。それは、過去です。

確実を捜し求める行為は普遍的に失望とフラストレーションを招く無駄な努力であると言える。
(中略)
この真実を受け入れることができれば、トレーダーは間違いなく大きく前進する。
(中略)
逆説的であるが、確実を達成することができないと認識した時に、精神は落ち着きを得られるのである。
P56-57

ただし、全く何も考えず投資するわけではない。
確実な未来はないが、確率の高い方法を模索することはできるのだ!

ギャンブルとトレーディング

ギャンブルとトレーディングの違い

トレーディングの初心者が失敗する要因は「ギャンブル」と「職業としてのトレーディング」を区別できないことである。企業が「予想通りの」良好な収益発表を行う直前にポジションを積み上げてみたり、高速で下落している株を買ってみたりすることは、ナンセンスなギャンブルに相当する行動である。
P60

こういった投資手法で利益を上げることは可能です。しかし、それはギャンブル的手法であり、「知的なアプローチ」とは言えません。なにより、再現性がないですよね。
ではどのような手法で投資すべきなのか。ギャンブルではなくトレーディングによる手法は何なのでしょうか↓

マーケットで安定的に利益を上げたいならば、職業としての、かつ十分に規律のとれた手段によらなければならない。
P60

私が以前レビューしたゾーンでも同じことを言っていました。ゾーンの著者マーク・ダグラス氏の著書で『規律とトレーダー 相場心理分析入門』というものがあります。

規律という日本語で書かれるとなんのこっちゃとなりますが、要はルールのことだと僕は解釈しています。「自分でルールを決めて投資をし、その結果を検証し、高確率で勝てる方法を模索しましょう」ということだと僕は理解しています。

賢いトレーディングには計画を実行することも含まれる。ギャンブルは自分が正しいことを期待して買って売ること以外の何物でもない。したがって、賢くトレーディングをすることが何より重要である。次に述べることを決して忘れてはならない。勝つためには、生き残らなければいけない。賢く取引すれば生き残り、ギャンブルをすれば死ぬのである。すべてのトレーダーは何がトレーディングで何がギャンブルかを認識しなければらなない。
P60

買っているプロは大儲けを狙わない

大きく儲けたいという欲望、換言すればギャンブルは、初心者トレーダーの代名詞のようなものである。プロのトレーダーは、結局のところ、短期トレーディングが1/8から1/4、時には1/4から1/2の確率のゲームであることを明確に認識している
P61

世の中には10倍株、通称テンバガーと呼ばれるものがある。そしてそういった夢を売っている本は書店の一番目立つところに並んでいる。また、月刊の投資雑誌でもそういった類の特集が多く組まれており、株は大きく儲ける可能性がある一発逆転の裏技という認識が強くあるのは事実。
しかし、それはまさにギャンブルと同じ考えなのである。

マーケットの支配者は数千万ドルの資金を自由に操れる証券会社や投資銀行なのである。彼らの取る投資行動に追随すべきなのである。ではどういった投資手法を用いているのか↓

彼らの唯一の目的が何であるか分かるだろうか。彼らのゴールは、トレーディングのすべての瞬間において彼らが取引する銘柄のスプレッド(買値と売値の差)、そう、鞘をとることに尽きるのである。
(中略)
真のプロは小さいが確実な利益を追い求めるのである。真のプロはそれを何千回も何万回も手にするのである。
(中略)
ウォール街の優れたトレーダーは宝くじ銘柄を買うことはないし、それに期待することもない
P61-62

余談ですけど、さんざん「確実なものはないですよー」と言ってきたので、ここの翻訳は「小さいが“確実”な利益」ではなく“高確率な”とかいう表現の方が良かったんじゃないかと思いますけどね(笑)

検証方法~キーワードは10回~

利益=成功、損失=失敗なのか

利益は、取引が健全であること、あるいは正しかったことの証となるのだろうか。取引で損失を被った場合はすべて、その取引が間違っていたとみなさなければならないのだろうか。この2つの疑問に対する答えは絶対にノーである。
P63

これらの誤解が生む弊害は、「すぐに手法を変える」ということです。結果として、「何ら専門的な知識を習得できない」という状況になります。

いかに戦略が健全であり、現実的なものであっても、すべての取引で勝てはしないということである。トレーディング方法には何ら問題がなくても結果は損失ということもあり得る。逆に、アプローチに問題があっても勝つことはある。
P63

少なくとも10回は試す

少なくとも10回の取引をもって判断すべきだろう。ポジションをとる前に、これが「生涯にわたる」トレーディングの1つにすぎないということを確認すべきである。したがって、今回勝って次回負けようが、大きな枠組みの中では大差ないということである。恐怖が生じるとか、機会損失してしまうとか、最終的には精神異常になるのではないかとか、個別の取引の結果にいちいち悩んでいるのなら、この認識によってトレーダーは精神的に救われるだろう。
P63-64

この10回の取引は連続したものである必要があります。
このアプローチ方法により、投資の意思決定において無駄なプレッシャーを感じることがなくなります!
一石二鳥ですね。

マーケットの底を見極める!

典型的(ありきたり)な投資家は駆逐される

マーケットの混乱期には、我々が普段接触しているリテール顧客相手のブローカーの多くは、彼らの顧客の個人投資家がマーケットから脱落していく時期を教えてくれる。これが生じた時には、その直近の株価下落が大底に近づいていることの力強い証拠となる。
株式市場には、株価が底を入れて切り返す前に「弱者」を「振り落とす」という固有の傾向がある。フラストレーションの蓄積度合い、あるいは高揚した陶酔感(ユーフォリア)の度合いは、実は、優れたトレーダーがマーケットの天底をピンポイントで指摘するためのバロメーターとなる。そして、これらのバロメーターは極めて有用である。
P65(大衆は長期にわたって勝ち続けることはできない)

フラストレーションの蓄積度合い=下落時の底を計る
高揚した陶酔感(ユーフォリア)の度合い=上昇時の天井を計る

という意味合いで使われていると思われます。

続けて非常に厳しい言葉で綴られていました↓↓

金融市場は大多数に利益を与えるようにはできておらず、その結果、株価が調整される際に、典型的な投資家(多数派)が駆逐される一方で、優れたトレーダー(明らかに少数派)は生き残り、株価が最終的に上昇に転じる時に十分な仕込みができるのである。プロは平均的な投資家が間違ったサイドに追いこむことに秀でている。初心者が買いたい時はプロが売りたい時なのである。初心者がもう駄目だと思って売りに回る時に、プロは初心者から積極的に買いとって、初心者の苦しみをやわらげるのです。
P65(大衆は長期にわたって勝ち続けることはできない)

駆逐という言葉を聞いたのは進撃の巨人以来です。

チャートはすべてを物語る

「なぜ」を追い求めてはいけない

「あの銘柄、決算良かったのになんで下がってるんだろう」
とはよく思うものです。

ここで著者は「なんで」「なぜ」と思ってはならないと言います↓↓

「何」ではなく、「なぜ」を追い求めている時には、極めて困難な状況に陥りつつある。株価が「何」をしているかは「なぜ」そうなっているかよりもよほど重要である。「なぜ」は常に株価に織り込まれている。要するに、チャートはすべてを物語るということである。
(中略)
テクニカル分析を用いる者として、株価が上昇しており、自分がそれに乗っていればよいのである。
P73〈疑問を持つことの危険性〉

著者は「疑問を持ち出した瞬間が退場の瞬間」で、特に取引時間中については「とるべき選択肢は行動であり、疑問ではない」といいます。

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