アメリカ運用大手フィデリティの「マゼランファンド」を1977年から13年間運用。平均年率29%のリターンを出し、純資産総額を700倍に増やした。
テンバガー(10倍株)という言葉を世に広めた伝説のファンドマネージャーが出したこの本は、世界的ベストセラーとなりました。
管理人が働いていた野村證券のロンドンオフィスで機関投資家営業をしていたスーパーセールスの方も、『色々な本を読んできたが、間違いなくこの本が僕のバイブルだ』と言っていました。
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①投資哲学
テンバガーになるとはどういうことか
時価総額が10倍にならなければいけない。
次に、そのために利益をどのくらい出さなければいけないか自問自答する。
それは本当に非常に稀なことだ。
相場全体の動き<個別銘柄の動き
その日の相場がどう動いたかを知るために大方の人は「ダウの終値はどうだった?」と聞くが、私はどれだけの銘柄が値上がりしてどれだけの銘柄が値下がりしたかのほうに興味がある。
私の10倍株の幾つかは、実にひどい相場のときに急上昇している。
だから、あなたが確信を持って次の好景気を予測できたとしても、それを利用して暴騰する株を買おうと考えたとしても、景気を予測できたことと銘柄選びは全くまた別のことなのである。
何か調べようとするのなら、相場動向ではなく、たとえばタコ・ベルの新製品ブリトー・シュープリームがヒットするかどうかというほうを見極めるべきだ。よい銘柄さえ選べば相場のほうは気にしなくてもよい。
買いに入る最良のシグナルは、気に入った会社を見つけることがすべてである。よいと思ったら、株を買うのに早すぎるととか遅すぎるなどは関係ない。
優良株は不況時にも強いので、いつも私のポートフォリオには組み入れられている。
市場が悪いときには頼もしい銘柄である。倒産などしないし、すぐによい評価を取り戻して株価も回復する。
だからケロッグは不況も乗り越えられるのである。どんなに状況が悪くなっても、人々はコーンフレークを食べ続ける。
はっきりしていることは、株で金儲けをするのに株式市場全体の予測をする必要はないということだ。
いずれにせよ、私は相場予測を信じていないのである。私はよい会社を信頼し、とくにその株価が割安で、業績などファンダメンタルズを十分反映していないものを探している。
自分の選んだ株が全て上昇すると期待しない
私の値下がり株は、重要なことを思い起こさせてくれる。それは、自分の選んだすべての株で儲ける必要はない、ということである。私の経験では、ポートフォリオの10銘柄中の6銘柄が値上がりすれば満足すべき結果が得られる。
あなたの損は、それぞれの株に投じた金額に限られる一方で、利益には天井がない。
②やってはいけない行動や考え
ろくに調べもせず材料に飛びつく
あなたがその店で買い物をするのが好きだからといって、その店の株を買えと勧めたりはしない。利益見通し、財務状況、競争上の位置、成長計画などなどについての宿題を済ます前に決して投資をしてはいけないのである。
調査なしの投資は、カードを見ずにポーカーをするようなものだ。
もしも、ある製品の好調さを理由にその会社の株に投資しようと考えているのであれば、その製品の成功がどれほどその会社の収益に寄与するのかを調べるのが先決である。
日々の上げ下げに一喜一憂する(パニック売りをする)
私は常に、投資家はマーケットの上げ下げは無視すべきだと信じてきた。
絶望のどん底で売ると、いつだって安値で売ってしまう。
マーケットにびっくりしても、その当日や翌日に売る必要はないのである。株の資産を徐々に減らしていっても、パニックで売った人よりまだましな成果をあげられる。
損切りラインを決める
ある人々は、自動的に“敗者”を売り、“勝者”を保有しているが、これもあまりうまくいくとは思えない。
よい株であるのに株価が下がっているものを、その価格でナンピン買いせずに逆に売ってしまうのでは、ただの悲劇にしかすぎない。私にとって、相場の下げは、ポートフォリオのなかで将来有望だがまだパフォーマンスの悪いものを買い増しする絶好のチャンスに思える。
もし、あなたが「株価が25%下がったら押し目買いする」という決心ができずに、「25%押したら売ってしまおう」という致命的に誤った考えを捨てることができないようなら、あなたは株式相場で正式な利益を得ることなど、決してないだろう。
株式投資は科学というより芸術であり、何でもはっきりと数量化したがるタイプの人間には向かない。
下がる言い訳を見つける
大きな下げをタイミングよく売って逃げられればそれは素晴らしいことだが、誰もそれを予想はできない。また、もし株を売り払って下げを避けたとしても、次の上げ相場に備えて買い戻すということができるだろうか?
ある非常に成功した投資家が「弱気の発言は知的に聞こえる」と言っていた。
新聞やニュースを見聞きするたびに、あなたの持ち株を売ってしまいたくなるのに十分な理由を見つけることができてしまう。
いつの日か下げ相場(40%をも超える)を迎えるであろうが、その時には以前に預言者たちが「売ったほうがいい」と言っていた時よりもはるかに株価は上がっているのだ。つまり、予言は外れている。
心配のタネは尽きることがないが、恐れる必要はないのである。
こんな考えは危ない
もうこんなに下がったのだから、これより下がりようがない。今が底だ。
・原則として、株価がどこまで下がるかということに、ルールなど一つもない。
・下落している株を底値で拾おうというのは、落ちてくるナイフを素手でつかむようなものである。ナイフが地面に突きささり、しばらく揺れ動いた後、しっかり止まってからつかむのが、正しいやり方である。下落している株を急いでつかめばみじめな結果になる。
・それでも、株を底値で買えるとは思ってはならない。株価は、上昇基調に乗る前には必ず揺れ動くものだからだ。これが落ち着くまでには通常2~3年かかるが、もっと時間がかかることもある。
「こんなに株価が上がってしまって、これ以上の上値などあるはずがない」
株価がどこまで上がるかということについては、はっきりした限界などない
フィリップモリス、ショウニーズ、マスコ、マクドナルド、ストップ・アンド・ショップといった株は、毎年、「これ以上は上がらない」という壁を破ってきたのである。
率直に言って、どの株が10倍になるとか5倍になるとか、予測することはできない。
「低位株(株価が低い)は安心だ」
三ドルの値がついている株に出会えば、「これなら50ドルの株を買うよりは安全だろう」とあなたは思うかもしれない
「結局、株価は戻る」
「ここまで戻ったら売ろう」
私の経験では、落ち込んだ株は、戻ったら売ろうと決めている線まで戻ることはない。
私はこういうケースになりそうなとき、その株は買い増しするほどよいと思うか?と自問自答し、答えがノーだったらただちに売り払うことにしている。
「大企業なら安心だ」
2代にわたって保守的な株に投資し続けた人たちは、公共株なら間違いないと思い込んでいる。
原子力問題
料金引き下げ論
設備投資額の大きい原子力プラントのおかげで、経済性や安全性の問題が起きる
「もうこの銘柄に未来はないから売ろう」
何か素晴らしいことが起こるのを待ちくたびれて、その株を手放したとたん、翌日、その素晴らしいことが起こったりする。私はこれを、捨て去った後の繁栄と呼んでいる。
彼らがストーリーをチェックし直していれば、決して売ることはなかったと思うのだが。
通常、私が利益を得るのは、おおむね保有して三年目から四年目のことである。
もし会社の業績が良好で、初めに魅力を感じた点について変化がないなら、遅かれ早かれ、我慢は報われるものと自信を持っている。
あなたが夢中になっているのに他の人は無視しているような株を保有し続けるには、たいへんな忍耐を要する。他の人々が正しくて、自分が間違っているのではと思い始めるだろう。しかし、ファンダメンタルズさえ約束されているなら、我慢は必ず報われる。
「なぜあの時に買わなかったのだろう」
誰かが利益を得たということは自分の損失だという考え方は、株式投資では健全な態度とは言えない。
「次は絶対にチャンスを逃すまい」
すでに見てきたように、“次”というのは滅多に起こらないのである。
多くの場合、割安の“次のもの”に飛びつくよりは、高くても本命の、よい会社を買うほうがはるかに良いのである。
株価上昇=正解 株価下落=間違い
短期で騒ぎまくるのは全くのナンセンスである。
③勝つための投資戦略
インターネット関連が良い
❶ピック&ショベル戦略
ゴールドラッシュのとき、ひと山当てようとした人たちのほとんどはお金を失ったが、彼らにツルハシ、シャベル、テント、ブルージーンズ(リーバイ・シュトラウス)などを売った人たちは、良い儲けになった。今日では、探すべきはノン・インターネット企業で、インターネットのビジネスから間接的に利益受ける会社(物品の配送会社はわかりやすい例)あるいは、そのインターネットの流れを助けるスイッチとかネット関連の仕掛けを作っている製造業に投資すればよい。
❷新たにインターネット事業を始める
現実に利益と妥当な株価をもたらしているノン・インターネット企業が手掛けるインターネットのビジネスである。典型的な例として、会社全体の価値がたとえば今の市場で八億ドルとして、その会社のインターネット事業が10億ドルの価値があると推定され、もしそれが想定どおりとなれば、結果は非常に実り多いものとなる。
※本書では『フリー・インターネット・プレイ』と命名されていた
❸『オールドエコノミー×インターネット』
旧来からの「煉瓦とモルタル」事業(オールドエコノミー)であっても、インターネットを使うことによってコストを節減し、作業を能率化し、より効率的になって利益もより上がるようになった会社である。ひと時代前にスーパーマーケットにスキャナーが配備されたが、これによって万引きが減り、商品をよりよくコントロールできるようになって、スーパーのチェーンにとって大きな力になったのが好例である。
自分のよく知っている会社
自分の知っていることであれば、調査するのもフォローしていくのも簡単だから。
少し意識的に自分の仕事や近所の商店街などで起こっていることを見るだけで、ウォール街が気がつくよりずっと以前に、すごい銘柄を見つけることができる。自分の働いている業界の変化や、消費者としての情報を意識的に利用すれば、10倍になる株を見つけられるだろう。
よくわからない難しい銘柄に投資するよりもずっとよい成績があげられるだろう
ファンダメンタルズのしっかりした会社
ちなみに、ファンダメンタルズはよいのに株価が下がったら、そのまま保有しているにかぎる。あるいはナンピン買いするのもいいだろう
ウォール街のプロが見過ごす銘柄
ウォール街のプロたちは、面白い銘柄を買う理由を探していると考えているとしたら大間違い!ファンドマネジャーはそういう銘柄を買わないための正当な理由を探している。
なぜなら、誰でも知ってる大型銘柄なら、仮に下がっても言い訳ができるが
万一突飛な無名企業を買って下がってしまった時は言い訳が立たない。
生き残り競争が熾烈な投資運用の世界で、プロが無名企業への投資を決意するにはいささか勇気がいる。成功ということも大事だが、それ以上に失敗したときの体裁を気にする。
ファンドマネジャーのゲームは1年中なので、全然リラックスできない。しかもゲームの結果は、3ヶ月ごとに結果を求める顧客や上司にチェックされるのだ。
名前だけではわかりそうもない、一見つまらなさそうな仕事をしている高収益の会社こそ、私は大好きだ。
正しい逆張りとは、誰もが興味を失い、とくにウォール街で誰も株など気にしていないときに拾う、ということである。
バイオ株に投資するのも一つ
アムジェン社は遺伝子バイオのブルーチップとなり、10億ドル以上の収益をあげている。数あるバイオ株投信の一つに、あなたの資金の一部を長期に投入する価値はあるのではないだろうか。
④タイプ別10倍株投資法
6つのタイプに分類
私の個人的な好みは、年に20~25%の成長を遂げ、うまくすれば株価は10倍から40倍、あるいは200倍にもなりそうな積極性のある小企業(①潜在的急成長株 )である。少額の資金のポートフォリオなら、これが一つか二つあれば大きな名声を得られるだろう。
タイプ | 業界やカテゴリー | 職業での例え | 注目点 |
①潜在的急成長株 | 小型株 ホテル 外食 スーパー | 俳優 発明家 スポーツ選手 音楽家 | 年率20~25%成長 失敗する率は高い 成熟産業の多い |
②業績回復株 | 赤字から黒転 | 放浪者 落ちこぼれ 失業者 | 変革に熱心であるか、またその計画は十分に機能しているかが問われる |
③資産株 | 金鉱株 鉄道株 不動産 | 親の遺産頼みで、自分では一切働かないろくでなし | 大きな資産を持っているのに見過ごされ、過小評価されている |
❹優良株 | 食品 | 企業の中間管理職 | 大企業 年率10~12%成長 不況に強い |
❺市況関連株 | 自動車 鉄鋼 化学 | 農民 クリスマスツリーの売り子 | 景気に影響される 季節性がある タイミング次第でテンバガーも |
❻低成長株 | 電力会社 | 図書館員 教師 警官 | 安定収益 高配当(お金の使い道がない) 事業拡張しない |
⑤絶好の売買タイミングとは
買いタイミング
❶年末の、恒例の税金対策のための売りが出る時期
10月から12月にかけて見られるきつい下げは、偶然ではない。この頃は休暇も多い時期なので、証券会社の社員も私たちと同じようにお金の必要に迫られる。
特に低位株が売られる。
もし、株価が下がったらぜひ保有したいという銘柄をリストしてあるなら、年末は待ちに待った買いの絶好の時期だろう。
❷数年に一度起こる暴落や反落
もし、あなたの痛む胃が売りと言ったとしても勇気を出して、理性を保って買いと思い直すことができれば、考えたこともなかったような絶好の機械になることだろう。
専門家は、忙しすぎたりしがらみが多かったりで相場の動きにすばやく対応できないことが多いが、あなたは最近の下げ相場で、素晴らしい成長を遂げている堅調な会社の株を安く買える機会があったはずである。
売りタイミング
・もし、ウォール街のアナリスト40人が強力な買い推奨を出したとすれば、その株の60%はすでに機関投資家が所有しているはずで、加えて経済誌三誌が特集を組んでその経営者を誉めていたら、明らかに売りを考えるときである。
・2週間に12の都市で説明会を開き、機関投資家相手に非常に強気な説明をしてきた。
・今後2年間、最も楽観的な予測でもPERが15〜20倍のところ、30倍まで買われている。
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