金融・投資本

【書評・レビュー】テクニカル分析で「勝つ」FX

投稿日:2023年10月26日 更新日:

こんにちは、管理人のみっちー(@m_hayashi )です。
今回レビューする書籍は、株式投資ではなくFXのテクニカル分析についてです。
森好治郎さんと鈴木隆一さんによる共著なのですが、株と為替はまったくの別物だそうで、ちゃんと勉強する必要がありそうです。

ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析

株式のテクニカル分析は支店営業時代に勉強していましたが、株と為替はまったく違う相場ですから、洋書を読んだり、通信社のセミナーに参加したりして、一から勉強のやり直しです。ところが勉強したとおりに分析をしてもなかなか当たらない。大きな損も何度も経験しました。机上と実践では、やはり大きな差があるんです。

P2-3

ファンダメンタルズ分析とは

ファンダメンタルズ分析とは、おもに経済の基礎的指標に注目し、相場がどう動くかを予測する分析手法のこと。代表的な指標としては、各国の金利、マネーサプライ、貿易収支、経済成長率、物価指数、失業率などがある。ほかにも金融政策に関わる要人の発言や軍事的な動き、企業やファンドの決済需要などが相場を動かす要因になる。注目すべき指標を挙げればキリがないが、基本的には金利水準が高く、経済力の大きな国ほど通貨は買われやすくなる。ファンダメンタルズ分析は、その国の国力の変化を注視して相場を分析する手法と考えておけばいいだろう。

P12

これに対して本書のテーマであるテクニカル分析は、通貨の価値そのものに着目し、過去の値動きから将来の値動きを予測する方法だ。為替相場を動かす要因はきわめて複雑だが、唯一絶対的に正しい情報が過去の為替レートだ。ある時点の為替レートは、そのときのさまざまな変動要因をすべて織り込んで形成されている。価格はあらゆる情報を数値化した絶対的な指標であり、数値による客観的な分析ができるのがメリットだ。

P12

ファンダメンタルズ分析では相場のトレンドしかわからない

ファンダメンタルズ分析は、相場のトレンドを見ることはできても、売買のタイミングまではわからないわけです。実際にトレードをするときに、どこでエントリーをしてどこでイグジットをすればいいというのが決められない。商品先物相場は、大きなレバレッジがかかっていますから、トレンドは読みどおりであっても、売買のタイミングを外すと損切りを余儀なくされることもあります。
(中略)
現在の私は、格好良くいえばプライベートトレーダーという肩書きですが、要は相場師です。テクニカルとファンダメンタルズを組み合わせた「テクノファンダメンタルズ・アプローチ」という分析手法で、為替のトレードをしています。

P3-4

テクニカルだけでは不安な面がありますし、かといってファンダメンタルズでは相場の水準が一切わからない。株であれば、ファンダメンタルズ的に妥当な株価水準を分析できると思いますが、為替の場合は違いますよね。例えば1ドル360円と1ドル90円の差は、ファンダメンタルズ、つまり国力の差ということができるかもしれません。でも1ドル100円と1ドル90円のときにファンダメンタルズ的に何か決定的な差があるかというと、わからない。だから為替の場合は、どうしてもテクニカル分析に頼る局面が多くなります。

P4

情報の正しい取り方

今は情報を簡単にネットで入手できますし、投資をするのも簡単ですが、儲けるのは簡単ではないんです。手間を惜しんでは、儲けられないと思います。
簡単に情報を得られすぎることが、逆に投資家にとってマイナスになっていると思います。さまざまな情報の中から、八方美人的に自分のポジションを正当化する情報だけを集め、それを基に投資判断をしてしまうのです。情報は手広く集めればいいというものではありません。信頼できる情報に絞り込み、うまくいっているときもそうでないときも継続してその情報を見ていくことが重要です。そうしなければマーケットの潮目を捉えるのは困難です。
 例えばチャートにしても、時間軸を変えればいくらでも自分のポジションにとって都合の良い結論が得られるわけです。そういう情報の取り方をしたら、いけないということですね。

P5

自分の過ちは素直に認めること

 ディーラーやトレーダーと話していて面白かったのは、ついさっきまでものすごく強気に相場を語っていた連中が、5分も経たないうちに弱気になっていたりすることです(笑)。これは決して悪いことではなく、逆にそうでないとディーラーとして生き残っていけません
 相場は何が起こるかわかりませんから、間違えたときはすぐに間違いを認めて行動しなければなりません。間違いを正当化しようとすると、どんどん泥沼にはまってしまう。
 ある程度精度の高い情報に基づいて行動しているつもりでも、相場は生き物ですから、違った方向に動くことが多々あるわけです。それをその都度修正できる勇気がトレードでは必要です。私自身も判断を間違えたときには、なぜ間違えたのかを必ず振り返るようにしています。こんなにわかりやすいサインがチャートに現れていたのに、何で読み取れなかったんだろうと反省するんです(笑)。個人投資家の方も失敗したときの反省は、ぜひやっていただきたいですね。
 反省や振り返りの積み重ねが経験則になり、その経験則が直感力や咄嗟のときの判断力として生かされるわけですから。

P6

損切りは失敗ではない

相場で失敗しない人はいませんし、「損切りは失敗ではない」ということです。損切りは次のステップに進むための重要な決断です。では失敗とは何かというと、自分が信頼しているテクニカル分析のサインを無視して踏ん張ってしまうことなんですね。私の失敗は、いつもそれです(笑)。
 たいがいそうなんですよね。もうダメだと気付いた段階でやめておけば小さな損で済んだのに、無視して大損をしてしまうんです。逆にいえば、自分の中で決めたルールを守り通すことができれば、大儲けはしないまでも相場で生き残れると思います。

P6-7

こうすれば損をするというのがわかってはいても、行動経済学が明らかにしているように、人間は完全に合理的には行動できません。そこが難しいわけですが、そうした人間の心理を、逆手に取るのもひとつの方法です。例えば相場が急変して含み損を抱え、ナーバスになっているとしましょう。私がそういう状況で想像するのは、同じように損を抱えて冷静な判断ができなくなっている連中がたくさんいるということです。するとどこかのポイントで一斉に損切りが出て、もう一度相場が大きく動く。この損切りの流れに乗じて儲けるトレーダーも出てくるわけですから、含み損を抱えたときは損切りのタイミングを計るのと同時に、ドテンするタイミングも冷静に探らなければいけません。

P7

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